【キネトーク】映画祭取材レポート

    本日の映画チャンネルは、映画祭特集!
    ゆうばり国際ファンタスティック映画祭と調布映画祭に映画チャンネルスタッフが遊びに行ってきました。
    当日の様子や、予告編上映、監督さんインタビューなど盛りだくさんでお届けしました。

    ゆうばり映画祭レポート

    --キュレーター・蔭山氏によるゆうばりの街、映画祭の会場紹介。

    06:45 プログラミングディレクター・塩田時敏さんのコメント
    塩「今回の特徴は、わりとファンタスティック映画らしいテーマのものが多かったので、ファンタスティック系以外では評価されないであろう作品がグランプリになっていると思います。それはそれで、この映画祭の意味があるのでいいことだと思います」

    07:15 蔭「ぶっちゃけお店とかあんまりないんですよ。行く場所がないから、どんな有名なゲストも有名な監督も、おんなじスナックとか屋台村とか行くとこそこしかなくて。で、そこでみんな集まっちゃうんですね。だからもう、仲間たちが常に一緒にいるって状態で、この映画祭っていうのは、参加したら必ず仲間が出来るという。そういった面白い映画祭です」

    14:20 蔭「ゆうばりで必ず食べたほうがいいのは、カレーそばとのんきやのラーメン。僕のサインが飾ってありますんで」

    調布映画祭レポート

    16:42 受賞式の様子
    「Uncle and Girl」/内藤日和監督
    「風待ち」/石原弘之監督
    「タートルハウス」/久保田誠監督
    「泥人」/上野皓司監督

    18:30 佐々木誠監督登場

    21:50 「風待ち」予告編
    石原弘之監督インタビュー

    --作品を制作したきっかけは?

    片言でもいいので、自分の撮りたいものにこだわって作りました。

    --主人公の少女について

    女の子は、学校の同級生なんですけど、あの子はいつも元気で、恋愛感情とかじゃなくあの子が持っているポジティブな生き方というか、そういったものを僕は肯定したいなと思って、ツッコミどころはいっぱいあるんですけど、それも含めて、生きるエネルギーというか、そういったものがすごく高い子だなと思って。で、そのまま撮ったって感じで。キャラクターを活かしたというか。そこに自分の世界をすりあわせていった形になりますね。

    --作中歌の歌詞について

    とにかく意味というものに対して、笑い飛ばしたいという気持ちがあったので、そうすれば全部が無意味になると。というので、ああいう歌詞にしました。

    --作品について

    1年半前くらいに作ったものでしたので、それからだいぶ心境の変化もありまして、作るものもだいぶ変化がありまして、改めて観て恥ずかしさがありました。二度と作ることはできない映画だと思います。一生に一度、ああいう風に映画と向き合うってことがたぶんもう出来ないと思います。

    25:00 「TURTLE HOUSE」予告編
    久保田誠監督インタビュー

    --受賞の感想は?

    東京での上映が一年ぶりだったので、嬉しかったなって感じがまずあります。

    --作品を制作したきっかけは?

    見ず知らずの家とか土地に行った時に、今まで住んでた人とか、それまであった時間とかに逢う瞬間があるので、自分もそういうのがあるので、何か残せないかなと今回の作品を作らせてもらいました。

    --亀を登場させた理由は?

    何かに触るっていうのが自分の中であって、物語の中でも見えるものにしたくて、映像だったら見せたいなというのがありました。

    27:40 「風待ち」について
    佐「こういったタイプの作品、多摩美って多いんですよね。それがダメとかではなくて、独特のこういうジャンルってあるんですよね。ださい人はださいけど、監督のセンスが出るんですよね。役者を選ぶというのも、監督のセンスで、演出じゃないですか。やっぱり彼女を見つけたのも大きいと思いますし」

    29:15 蔭「映画って、自分の計算じゃないいろんな要素が入ってきて、それが偶然にも大傑作を生むこともあれば、残念な結果になることもある」
    佐「だから、一期一会なんですよね。映画って」

    31:17「TURTLE HOUSE」について
    佐「好きですね。うまいです」
    蔭「完成度が相当高いです」
    佐「家っていう空間を浮き上がらせるために、人間関係とか構図を計算して、ずらすみたいな感じで。うまいなと思ったのが、主人公の女の子が家を出て、時間つぶしのためにカフェに行くんだけど、開いてなくて戻るってシーンがあるじゃないですか。開いてないカフェの中から撮るシーンがあるんですけど、そこがいいカットだなと。」
    蔭「映画の作り手からは、おおってところが確かにあって。映画をひとつの設計図だとすると、すごく緻密な計算がなされているなというところがあります。亀を出すとか。なんとなくとか、感覚的に撮る若い人もいるけど、この作品は監督、カメラもすごくクレバーな感じが伝わってきますね」
    蔭「女の子を男の勝手な都合で書いてないところが好きでした。」

    37:15 「Uncle and Girl」
    内藤日和監督インタビュー

    --受賞の感想は?

    「Uncle and Girl」は思い出深い作品なので、こうやって賞をとらせていただいてほんとに嬉しいです。

    --絵柄について

    できるだけシンプルにしたいっていうのと、ムダなものを取り除きたいっていうので、ああいう絵柄にさせていただきました。

    --キャラクターの動かし方

    ちっちゃい頃に、自分がどういうことをしてたかなっていうのを考えて、クレヨンしんちゃんとかを参考にしたり。小津安二郎っていう監督さんの子供の扱い方を参考にして作ったりはしました。

    --今後の上映予定は?

    4月5日に、名古屋のシアターカフェっていうところで私の作品上映会というのをやってまして、「Uncle and Girl」はじめ、学生時代のときに作った分と新作を出そうと思っているので、ぜひ来てください。

    40:35
    上野皓司監督インタビュー

    --作品を制作したきっかけは?

    ビジュアルが単純に、人がドロドロになってると雰囲気醸し出すよなっていう直感と、これでストーリー作ってみたら面白い作品ができるんじゃないかなっていう。映画美学校という学校があるんですけど、そこでストーリーの作りかたとか学びながら、「泥人」というネタで書いて、こういう形になりました。

    --主人公の少年について

    元々、ドロドロの病気なんですけど、周りの人はそれを分かって、うまいこと溶けこんで暮らしているというようには見えるという設定なんですけど、見えたとしても、やっぱりどこか死にたいとか、個人としては悲しいんじゃないかなみたいな。

    --泥人を演じた俳優について

    本人がドロドロになっていいよっていう了承をもらったのが大きいなとは思いますね。普通、断られると思うんですけど、友達だからといって、やってくれたのが一番良かったですね。

    42:40 「Uncle and Girl」について
    佐「カワイイ。音の生っぽい感じと、絵のギャップが良かったですよね。ギャップといいながら、それが合ってましたよね。絶妙な感じで」
    蔭「これも大人都合で子供を描くんじゃなくて、リアルな自分の子供時代を思い出しながら、だから特別大きなドラマとか起こらないんですけど、子供って日常のひとつひとつが大事件じゃないですか、そういう感覚とかいいなあと。あと、絵のシンプルさも好きですね。オリジナリティーがあるっていうのは審査で一番評価されるってところで」

    44:50 「泥人」について
    佐「僕の解釈だと、マイノリティーを描いたメタファーかと思ったんです。そういう子たちが地方で暮らしてるって、わりとリアルだなと思ったんです。結構細かい演出が、街の住民の人がそんなに同情するわけでもなく一緒に生きてるっていうところに、外から来たジャーナリストの目線から見ると差別が浮き彫りになってくるという構成で素晴らしいなと思ったんですけど。実際、監督とお話したら、自分がずっとドロドロしたものを学生時代に抱えてて、それを表現したんだとおっしゃっていましたね」
    蔭「本当に特殊な人を描くのではなく、ある意味青春時代のコンプレックスとかそういったものを描いているので、万人が共感できるんですよね。自分も泥人に感情移入できて見てたんですよ。それは、誰もが抱えているそういったものですよね」
    佐「そうやって見ればそうなんだけど、僕が受け取ったようなマイノリティーに関するメタファーの作品としても、本人は意識してなかったみたいなんですけど、そこが素晴らしいんですよ、意識してなくてもそういう映画になってたというところが」
    佐「あと、性も描いてたじゃないですか。あのシーンがなくても、グランプリにはなったと思うんですけど、あった方がよりいいですよね」

    出演


    佐々木誠 監督
    SASAKI, Makoto
    映像ディレクター/映画監督
    高校卒業後、あがた森魚監督などの映画作品にスタッフ・役者として多数参加、同時期に桜井鉄太郎プロデュース「Yipes!」など数本のシナリオを執筆。
    2006年 初監督ドキュメンタリー映画『Fragment』がロードショー公開
    2007年 オムニバス映画「裸over8」の内の一本『マイノリティとセックスに関する2、3の事例』公開
    最新作『INNERVISION』が公開決定
    1966869_10151944877036338_230483482_nMCのひとこと

    前回の佐々木誠監督の放送中にお知らせとしてご紹介させて頂いた、映画祭尽くしの今回の放送ッ(=゚ω゚)ノ
    キュレーターの蔭山さんが過去9回も足を運んでいるという北海道ゆうばり国際ファンタスティック映画祭の模様を、銀世界の街並みをバックにした彼の笑顔と共に…プログラミングディレクターの塩田時敏さんのコメントやご当地グルメの紹介をして下さった前半戦。

    後半戦は9日に調布市で開かれた調布映画祭の模様をお届けしました。

    奨励賞を受賞した
    「Uncle and Girl」/内藤日和監督
    「風待ち」/石原弘之監督
    「タートルハウス」/久保田誠監督
    グランプリを受賞した
    「泥人」/上野皓司監督

    の、予告や画像。本人達のインタビュー動画と共に…
    大人の事情wで遅れてしまった佐々木誠監督にお話を伺いました。

    今回、映画祭にお邪魔させて頂いたことをはじめとし…その内容について監督さん本人に取材をさせて頂くことは自分にとってはじめての試みでした。

    “映画”と一言で告げることは実に容易いですが…ジャンルとしてもアニメーションから実写。そして、個性が光る脚本や演出。人物に対する捉え方や迫り方。監督さん独自の回想など…思考を駆け巡らせながら様々な作品に触れ、向き合えたことは自分にとって大きな意味を持つと思います。

    さて☆さて、ちょっとお話は逸れちゃいましたが…ε-(´∀`; )www

    それぞれの作品について佐々木監督や蔭山さんの作り手側からのお話を聞いていると、また新たな発見に気付くことが出来たり…改めて映画って面白いなぁー。と、思った放送でした♪(´ε` )

    来週はグランプリを受賞した『泥人』の上野監督をお招きして作品についてもだけど…色んなことを質問して“人物”として知りたいと思います(((o(*゚▽゚*)o)))

    新 麻記子

    ※お詫び※
    番組最後にお伝えさせ頂きました。告知情報が途中で通信状況により途絶えてしまい申し訳ありませんでした。
    下記、詳細を記載させて頂きます。