短編映画『泥人』で調布映画祭グランプリを受賞した上野皓司監督と主演の川野辺修一さんがゲスト出演。
上野監督の学校時代の短編作品『あるランナー』『カエルの親子』を上映したほか、映画美学校でのふたりの出会いや『泥人』のドロドロな撮影秘話などお話を伺いました。

06:30 上野皓司監督『あるランナー』上映
11:44 上野皓司監督(以下上)『カエルの親子』上映

--『あるランナー』について

18:25 上「ロンドンオリンピックがあったときに、マラソンランナーが面白いなと思って。テレビに出てる以外での選手とコーチがどんな毎日を送ってるのかなと」
19:20 上「野球部の練習をしてるときに、陸上部の頑張ってる息遣いとかを守備しながら感じていて。陸上部の監督も声張り上げてアドバイスするんで、親密な感じがしたというか」
蔭「実体験をもとに映画を撮ったと思われがちですが、そうでもないんですよね」
上「ああいう関係になりたいなみたいなのはありますけどね。(作品の中の男性2人のような)ああいう関係じゃなく、女の子と親密になりたいなっていう」
川野辺さん(以下川)「出演女優とああいう関係になったことはないんですけど、出演を依頼するにあたって、あわよくばみたいな感情はあったりも・・・」
上「自分は一切ないです」

--『カエルの親子』について

24:35 上「普通にとんでるだけでも面白いなと思ったんですけど、フィクションからもう一個フィクション要素を積み重ねるみたいな。そしたら、炊き込みご飯にしたらいいんじゃないかなって、パッて思いついて、そうなるとオチはああいう(風になりました)」
25:53 蔭「なんで死なないんだろうって思って、でもプラスチックだからはじめから死ぬとか生きるとかいう概念がないんだけど、どれだけあのカエルに感情移入してたかってことだよね」
26:12 上「足がぴょんてなるとこがあると思うんですけど、あそこがオチみたいな感じです」

--『泥人』について

28:26 川「テスト撮影とかあったんですけど、そのときは普通の泥を塗ってましたね」
上「農薬の入ってる泥を使ってたんですけど、それはちょっとやめてくれと言われたんで、本番ではホームセンターで買って。でもすごく安いんで」
川「あ・・・そうなんですね。最初は肥料入りとかで、ゴツゴツしたやつとかも入ってて、それが鼻の中に入ったりとかはよくしてた」
29:35 川「一番つらかったのは、体温調整できないときがすごくつらくて。撮影が5月だったんですけど、外の撮影は暑いですし、中だとすごく寒い」
上「はじめは断られるかなと思って、いろいろ頼もうかなと考えてたんですけど、はじめに頼んだ川野辺くんが、いいよ~て軽い感じで言ってくれて、ほんとそれだけです」
川「想像してたのと現場ではかなりギャップがありましたね」
31:42 川「自分がもし監督だったら、嫌とは言えないなと。監督の気持ちも分かるので承諾したというのもありますし」

--川野辺さんの監督作品

37:55 川「去年の9月くらいに撮った『オフライン』という作品があります。それはSFを撮ってみたいと思って。SFドラマです。今身近にあるSNSだったり、ネットの問題が僕は非常に怖いと思っているので、そういう映画をつくりました」
蔭「身近な生活の中で、日常がねじれて非現実になっていくみたいな?たぶん大好きだと思う」

--『泥人』の話・つづき

40:00 上「まずドロドロにしてもいい家を探してたんですけど、まあ、なくて、川越とかでいきなり訪ねていったり。最終的に深谷のフィルム・コミッションのコワセさんという人に電話して、結構すぐに紹介してくれました」
42:05 上「森に埋まるシーンとか、ユンボで掘ってくれたりとか」

-女の子が泥人に罰ゲームとしてキスするシーン

46:00 上「女子ってそういうとこあるよねえみたいな。大学のときアルバイトしてたところに女子3人組がいたんですけど、その女子3人からメールでほぼ同時に『好きだよ』みたいなメールがきて、それは遊びというか。なんて返すの?とか、誰に先に返してくるの?みたいな。1通目来た時はどきっとしたんですけど、2通目からはあれ?みたいな。そのときの記憶というか、女子からしたら面白くてやってると思うんですけど、その男女の違いが面白いなと思って」
48:00 上「ひどいと思ってやってないと思うんですよ。こっちが勝手にひどいと思ってるというか」
48:40 蔭「泥人のように身体から泥が吹き出す人なんていないんだけど、障害者を描いてるわけでもなかったというところがすごく共感のレベルが広い。青春時代の若者が、人から汚いものと思われてるんじゃないかみたいな、若者のコンプレックスに共感するものがあるから、これは青春映画なんですよね」

出演

ueno
上野皓司 監督
UENO, Koji
映画監督
1986年生、京都府出身。京都産業大学法学部卒業後、名古屋の大道具会社に勤務。
映画美学校16期フィクションコース初等科修了。「あるランナー」「カエルの親子」「泥人」など短編映画を制作。
『泥人』は2014年調布映画祭ショートフィルムコンペティションにてグランプリ受賞。

kawanobe
川野辺修一 さん
Kawanobe, Shuichi
映画監督・俳優
映画美学校16期初等科フィクションコースを卒業。
現在大学4年生。
2013年 大学のサークルで映画『オフライン』を制作
2014年 主演作品『泥人』が調布映画祭ショートフィルムコンペティションでグランプリ受賞

03MCのひとこと

今回の放送は3月9日にスタッフと共にお邪魔させて頂いた調布映画祭で、グランプリを獲得した『泥人』の監督さんである上野皓司監督と、主演の泥人役である川野辺修一さんをお招きし、映画美学校でのふたりの出会いから今作品の撮影に纏わるお話まで伺いましたッ(=゚ω゚)ノ

緊張の面持ちから、時々はにかんだ笑顔を覗かせてくれる上野監督…
『泥人』同様、放送された過去の作品からも分かるように独特の着眼点を持っていることに気が付いた。
それは放送終了後の雑談中に「言葉拙い自分に代わり、兄が自分の状況を周囲に説明してくれていた。」と、語ってくれた幼少期の環境が大きく関係しているのではないかと推測できる。
彼は兄の陰から周囲を冷静に捉え、人が見せる様々な表情や心情に加え、それを物語らせる視線を静かに観察していたのではないだろうか。
その日常があったからこそ独自の感性として磨き上げられ、彼の持ち味として作中に生かされていると思った。

緊張の面持ちから伺えるのは…
彼はまだ、自分自身の魅力に気が付いていないということだ。
だからこそ物事を伝えることの不器用さや、生きることに対しての真面目さが人間味溢れる人柄として多くの人を引き付け、彼に手を貸したくなるのではないだろうか。
そして、そんな私も彼の背中を押したいと願う人の一人である。

さぁー 来週は調布映画祭続き…
奨励賞を受賞した『風待ち』の監督を務めた石原監督がプロデュースする作品『ポルトレPORTRAIT』について、本人とその作品の監督の内田さんと主演の吉村さんをお招きしてお話を伺っちゃいまーすッ☆(^ー゜)

るんるるんッ♪(´ε` )

新 麻記子